本記事は、JLPA機関誌『ガスプラント』 Vol.59 No.4(2022), PP.21~24に掲載したものを著作者様の同意を得て掲載させていただいております。
株式会社 サイサン
小出 達弥
ガスワングループの基軸である株式会社サイサンは,1945年(昭和20年)の創業以来,今日まで業界の発展とともに成長を続け,エネルギーサプライヤーとして社会・産業・生活文化の向上に貢献してまいりました。
創業以来,グループの理念として「お客さま第一主義」と「保安・安全の確保」を最重点におき,ガスワンブランドとして家庭用・業務用・自動車用LP ガスおよび産業用・医療用等の様々な高圧ガス事業,並びに各種の関連商品を主に,都市ガス事業,電気小売事業,宅配水事業に取り組んでおります。
海外では,ガスワングループが長年培ったLPガスの保安技術やきめ細かなお客さまサービスを提供し,アジア・太平洋地域でモンゴル,ベトナム,インドネシア,バングラデシュ,ネパール,タイ,ラオス,インドおよびアフリカでLP ガス事業を拡大し,「安全・安心・信頼」の日本ブランドとして評価をいただいております。
ガスワングループはすべての力を結集し,グローバルな視野で未来に向かい,創造的で,豊かな明るい人間環境づくりに努め,そして人類の進歩発展に貢献します。
弊社では,経営理念にもありますように,「保安なくして企業の存続なし」のもと,お客さまの保安・安全の確保に努めることを使命とし,毎年9 月1 日を「安全宣言の日」と定め,ガスワングループ保安宣言を掲げ,保安を最優先とした企業経営を行うことを宣言しております。
全社にわたる保安活動の取組みでは,各事業所・営業所については,コンプライアンス本部の保安部が中心となって定期に保安会議を開催し保安指導を行い,実際に各事業所・営業所の保安状況を査察し,年間の保安に係る優秀事業所を選出し表彰を行っています。また,支店では副支店長が保安の責任者として保安活動および保安指導を行っています。
建設工事を担う部門として,医療ガス部,産業ガス部,技術開発部については,それぞれの建設現場で安全作業と保安活動を行っています。ここでは,技術開発部の保安活動の取組みについてご紹介をします。
ガスワングループは,「保安なくして企業の存続なし」の経営理念のもとに,保安を最優先とした企業経営を行うことを宣言します
平成25年6月5日
ガスワングループ社員一同
コンプライアンス本部
保安部 監査部
管理本部
秘書室 経営企画室 人事総務部 経理財務部 情報システム部
営業本部
業務部 LPガス直売部 LPガス販売部 電力・都市ガス部
海外事業部 アクア事業部 ガスワンサービスセンター ネット通販室
産業ガス部 医療ガス部 技術開発部
DX推進部
支店
埼玉支店 北関東支店 南関東支店 東北支店 中部支店
四国支店 九州支店
[2023年10月現在]
技術開発部は,主に自社およびお客さまの
(a)LPガス設備(LPガス充填設備,LPガススタンド)の設計・施工・保守
(b)産業用のLPガス設備,一般高圧ガス設備の設計・施工・保守
(c)ガス事業法に係る特定製造所の設計・施工・保守
の業務を行っています。
また,高圧ガス保安協会の認定プラント検査事業者として,高圧ガス保安法における高圧ガス設備の検査,特定製造所等の検査を行っており,日々,そのための検査および保守に精通する専門技術者の育成に努めています。
ガス事業法に係る特定製造所は,LPガス貯槽から埋設導管により,住宅団地内の各家庭や店舗に,LPガスを供給するコミュニティガス供給システムです。
ガス工作物の管理監督は,ガス主任技術者が担っていますが,技術開発部では,毎年,保守点検の費用と経年劣化による設備の改修が必要とされる費用をまとめ,各事業所の予算に特定製造所毎に保安費を計上し,設備の保全に努めています。
一般に住宅地では,静かな作業環境を要求されますので,検査(施工)期間中は,安全唱和のような全員の発声は控えめに作業を行います。毎朝の安全ミーティングで作業内容を確認し,危険予知と行動目標を設定して作業を開始し,作業の終了は,検査チェックシートと不具合事項報告書により一日の安全作業の確認を行います。
建設工事の多くは,建設業法の事業許可が必要になりますので,サイサンでは管工事と電気工事は特定建設業を,土木・建築などの8業種は一般建設業の大臣許可をそれぞれ取得して事業を行っています。技術開発部では,部内に建設業推進課を設け,建設業法並びに労働安全衛生法に沿った人材の配置と管理体制を監理しています。
サイサンでは,会社設立以来,建設工事に係る多くの協力事業者の皆様には,「サイサン安全衛生協議会(以下,安衛会)」に入会していただいております。技術開発部は,安衛会の事務局を担い,年間の安全活動の事業計画を総会で決議し,施工の安全活動に努めています。また定時総会では,常に安全作業を心がけ事故防止並びに技術力の向上に尽力された功績に感謝の意を表し,功労者表彰を行っています。
例年8月には,安全衛生大会を開催し,弊社社員および会員事業者の安全衛生の啓発活動を行い,また,安全活動に係る専門講師を招いた安全講話を行い,出席者の方からは評価を頂いています。
2021年度の安全衛生大会は,新型コロナウイルスの影響を受けリモートで開催することになりました。このことから例年外部講師による講話を中止し,代わって社内安全管理者による「建設業の労働安全」の講話,医療ガス部による医療施設に酸素などを供給する工事の安全作業の講話を行いました。
(2021年度安全スローガン)
『危険個所 気付いたあなたが責任者 その場で摘み取る 危険の芽』
サイサン安全衛生協議会
安全衛生大会のリモート本部
サイサン安全衛生協議会
安全スローガン表彰
サイサン安全衛生協議会
総会:功労者表彰
また,安全衛生大会では,開催前に会員の皆様から毎年度の安全スローガンを募集し,当日に本年度の優秀作品の発表と作者への表彰を行い,会員各社並びにガスワングループの全事業所にポスターを掲示しています。
労働安全衛生は全社員が対象者となることから,弊社では毎年度開講する社員への通信教育講座でも安全衛生に関するビジネススキルや資格検定等を提供しています。
技術開発部では,設計から保守管理まで一貫して現場対応を行っており,新入社員等も先輩社員と共に行動して現場経験を積上げる事で,安全行動や法令知識を習得するよう育成しています。また,新たに知り得た情報や知識は,毎月行う「勉強会」で発表・報告するだけではなく,他部門とそれらの情報を共有し,協力会社等への指導として活用し周知を図っております。
毎年,ガスワングループ全社規模で実施している「配管コンクール(液石法対象)」は,技術の継承のみに限らず作業全体の「総合コンクール」として行っております。規定時間内に参加者全員が同一条件の模擬ガス配管や電気配線の施工品質を競うものですが,単に優れた技能だけではなく,安全な作業環境の構成も評価し採点しております。昨年に続き,今年もリモート開催となりましたが,これによりグループ会社の参加者も増え,今後は,地区の予選会が必要かと検討しています。
労働安全衛生において,交通安全活動も重要です。日常的に車の運転が必要な業務が多く,弊社でも安全運転は重要課題の一つです。本社の総括管理のもとで,事業所や営業所毎に必要数の安全運転管理者を配置し,SDカード取得更新による無事故無違反の啓発や,業務用車両へのドライブレコーダー,カーナビの普及にも努めています。さらに全員参加の安全運転活動は,KYTの4ラウンド法を導入して毎月の交通安全重点項目を定めています。この目標は朝礼で宣言するだけでなく,交通安全標語としてポスターを作成して部内に掲示しています。
ガスワングループ配管コンクール
リモート競技
ガスワングループ配管コンクール
リモート表彰式
建設作業および検査作業の安全対策は,安全設計によるリスクの低減を図る「本質安全」と,付加機能や注意喚起或いは情報の更新等でリスクの低減を図る「機能安全」で成り立ちますが,我々は「本質安全」だけにとどまらず,安全で柔軟な行動と最善な判断による「機能安全」の文化を育むことにも努めております。
安全対策への取組みは無限であり,コロナ禍による社会環境の変化は,安全に対する認識および要求に対しても日々変化をもたらしましたが,引き続き,サイサンは協力会社と一体となって,安全対策を進め,安全作業に努めてまいります。
ご安全に