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【機関誌掲載記事】特別寄稿 LPガス業界の将来展望 全4回(Vol.62 No.2~Vol.63 No1)

本記事は、JLPA機関誌『LPガスプラント』 Vol.62 No.2~Vol.63 No1に掲載したものを著作者様の同意を得て掲載させていただいております。

日本LPガス協会
事務局次長 カーボンニュートラル対策室長
山本 佳樹

第1回
カーボンニュートラル社会実現に向けたLPガスの取り組み (Vol.62 No.2,2025)

 日本LPガス協会はLPガスの輸入・生産を行う事業者を会員とする業界団体です。1963年に当協会の前身である「LPガス生産輸入懇話会」が設立されて62年を迎えます。
 当協会では本年のスロ-ガンを「未来と環境を照らす宝のようなエネルギー LPガス ~安心でサステナブルな社会を目指して~」と定めました。この宝のようなエネルギーが未来にむけて選択され続けるための主要な取り組みのひとつであるカーボンニュートラル(CN)への対応について,時系列で振り返りたいと思います。

 本年2月にGX2040ビジョン,地球温暖化対策計画ならびに第7次エネルギー基本計画が閣議決定され,改めて,2050年のネット・ゼロにむけた道筋が再確認されました。第7次エネルギー基本計画においては,LPガスが可搬性・貯蔵性に優れた分散型エネルギーであり,輸入ソースが分散されていることから地政学リスクが低くエネルギー安全保障に資するのみならず,災害時には「最後の砦」としても重要なエネルギーであることが改めて強調されるとともに,グリーンLPガスの大量生産に向けた技術開発の重要性が明確に示されました。

 当協会は5年前の2020年4月に「LPガスが果たす環境・レジリエンス等への長期貢献について」(日本LPガス協会版SDGs)を発表しました。ここでは,17項目あるSDGsの国際目標のうち,4項目すなわち
 ・SDGs 7(エネルギーをみんなに,そしてクリーンに)
 ・SDGs 9(産業と技術革新の基盤をつくろう)
 ・SDGs11(住み続けられるまちづくりを)
 ・SDGs13(気候変動に具体的な対策を)
に特化した形でLPガスの環境やレジリエンスにおける優位性を中心として将来的なLPガス業界の方向性を示すとともに,LPガスのカーボンニュートラル化への取り組みを進めることを初めて対外的に公表しました。

 同年10月に,当時の菅内閣総理大臣が国会での所信表明演説において,我が国が2050年までにCN社会の実現を目指すことを宣言しました。続く2021年4月には2050年目標と整合的で野心的な目標として,2030年度に温室効果ガスを2013年度対比で46%削減することを目指すことが宣言されました。これは従来目標を7割以上も上回る削減率であり,また,同月の気候変動サミットにおいても表明されたことにより,日本全体としての対応の必要性が大きく高まりました。(なお,冒頭の温暖化対策計画において,2030年度目標以降の中長期的な道標として2035年度までに60%,2040年度までに73%の削減を行うという新たな削減目標が示されました。)
 同じ時期,政府の動きに呼応してLPガス業界としての検討も開始されました。2020年11月から2021年3月まで,経済産業省の支援のもと,早稲田大学 関根 泰 教授を座長とする「グリーンLPガスの生産技術開発に向けた研究会」を,燃料合成の専門家を招いて開催し,グリーンLPガス製造の適切な技術を探索しました。本研究会の議論を通じ,2050年以降も社会が必要とするLPガスを持続可能なエネルギーとして責任を持って供給し続けるために,他のエネルギー合成技術やプロジェクトの副産物としてのグリーンLPガスのみに頼るのではなく,日本を開発の原点に,過去に基礎的研究が進められていたLPガス合成の技術開発を通じて,目的生産物としてのグリーンLPガス製造の社会実装を目標とするアプロ―チが極めて重要であるとの結論になりました。

 その中で,当協会は常任理事会社5社(アストモスエネルギー,ENEOSグローブ,ジクシス,ジャパンガスエナジー,岩谷産業)によって2021年10月に「一般社団法人日本グリーンLPガス推進協議会」を設立し,グリーンLPガスの製造技術の研究開発に直接着手し,現在2つのプロジェクト(北九州市立大学との共同研究,産業技術研究所ならびにエヌ・イーケムキャット社との共同研究)を推進しています。

 さらに,翌2022年の7月には,グリーンLPガスの社会実装に向けたロードマップ作りや,品質基準の統一化,トランジション対応策を巡る議論を官民で共有化し協議すべく,経済産業省の参加も得て,国際大学 橘川 武郎 学長を座長とする「グリーンLPガス推進官民検討会」を立ち上げ,本年3月までに8回の会議が開催されています。(表1)

 この間に開発が進んだ様々なグリーンLPガス製造開発に関する技術情報の共有(表2)の他,トランジション対応としての高効率機器等の普及拡大,カーボンクレジット活用,rDME(再生可能原料由来ジメチルエーテル)混合LPガス実用化検討などの各ワーキンググループも立ち上げ,各課題に取り組んでいます。

 また,昨年3月の第6回官民検討会では,2050年時点でのLPガスの全量CN化(約800万トン)を視野に,2035年時点での想定需要比(省エネ対応前)16%(約200万トン)のCN対応を目指すロードマップを公表しました。(表3)

 この目標に向かって,グリーンLPガス製造技術開発の各種プロジェクトや,上記ワーキンググループによる課題対応が今日も続けられています。

第2回
rDME混合LPガス実用化検討について (Vol.62 No.3,2025)

 前回4月の春季号に寄稿した「カーボンニュートラル社会実現に向けたLPガスの取り組み」において,「グリーンLPガス推進官民検討会」(以下,「官民検」)の活動についてご紹介しました。
 グリーンLPガスの製造開発に取り組む複数のプロジェクトにおける技術情報の共有の他,これらの技術によるグリーンLPガスの導入本格化に先んじたトランジション対応として,「高効率機器等の普及拡大」,「カーボンクレジット活用検討」,「rDME(再生可能原料由来ジメチルエーテル)混合LPガス実用化検討」などの各ワーキンググループ(以下,「WG」)を立ち上げ,各課題に取り組んでいることに触れました。

 本稿ではこれらWGの中から,「rDME混合LPガス実用化検討WG」(以下,「本WG」)を取り上げます。
 rDMEを混合したLPガスについては,本年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において「グリーンLPガスの大量生産に向けて,革新的触媒等の技術開発や生産プロセス実証を進め,2030年代の社会実装を目指す」こととともに,「LPガスのカーボンニュートラル対応を推進すべく,カーボンクレジットの利用拡大や,rDMEを混入した低炭素LPガスの導入に向けた取り組み等を後押しする」ことが示されています。

 本WGは本年3月3日に開催された第8回官民検において,官民検の下部の会議体として設置されることとなり,その第1回会議が4月23日に大阪大学大学院工学研究科の赤松史光教授を座長として開催されました。
 DMEはメタノール,アンモニア,水素との比較において,LPガスに物性が近似していることと,相対的に取り扱いが容易であることから,rDMEがLPガスの低炭素化のために混合する低炭素燃料として最適と考えられます。(表1)

 日本LPガス協会では,2050年のLPガス全量CN化を視野に,2035年までにLPガスのCO2排出量を年間600万トン(LPガス換算で200万トン)削減するロードマップを昨年3月の第6回官民検で発表していますが,その削減量のうち6割(LPガス換算で120万トン)をグリーンLPガスの輸入と国内生産が担う計画としています。本WGで議論されるrDMEの混合はその部分の削減に寄与することが期待されています。

 その一方で,既存のインフラを活用する前提におけるLPガスへの混合比率をはじめ,安全性対策,流通,環境価値など多岐にわたる課題を解決してゆく必要があります。
 本WGは,これらの課題への取り組みを傘下の4つの作業部会(品質検討部会・出荷設備部会・環境評価部会・渉外部会)を通じて推進してゆきます。(表2)

 品質検討部会では,燃料電池や家庭用機器等による燃焼試験結果をもとにした適切な混合上限値の設定や,ゴム配管等の膨潤・腐食対策をはじめとする安全対策の確認・安全基準の策定,新たな品質基準に基づくJISやISOの改訂に向けた検討作業を行います。
 出荷設備部会では,混合割合の上限値設定を前提として,出荷基地での設備対応や,流通・配送面での課題洗い出しと検証を想定しています。
 環境評価部会では,rDMEを混合したLPガスの炭素強度算出など,環境価値づくりに取り組みます。
 渉外部会では,rDME混合LPガス導入への取り組みにおいて最も大切な側面のひとつ,すなわち消費者・ユーザーの皆様をはじめとするステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを担います。また,WLGA(世界リキッドガス協会)等との情報交換を通じ,海外におけるrDMEの実用化や標準化との連携も図ります。

 これらの部会活動による取り組みを通じ,rDME混合LPガスの本格導入は2030年頃,また,その1~2年前に小規模レベルでの実証開始を見込んでいます。
 まず品質検討部会では,燃焼試験によって混合気新連載【特別記事】は「LPガス業界の将来展望」をテーマに全4回掲載し、今回は第2回目となります。(編集部)状態での混合上限値を見極めたうえで,燃料容器内の残量が少なくなった液相レベルでの上限値の設定に取り組みます。そのうえで,JIS,続いてISO規格の改定に向けた作業となります。
 出荷設備部会では上記の混合上限値を前提として小規模実証,本格導入に向けた課題の洗い出しと対応を行います。
 環境評価部会では,炭素強度の算定,つづいて環境価値の検証作業に取り組む計画です。
 渉外部会では,取り組みの各段階でステークホルダーとの継続的なコミュニケーションを図りながら,新たな基準・規格作りに向けては,国際的な枠組み作りも視野に国内外の関連団体との連携を行っていきます。(表3)

 本WGおよび各部会活動を通じた実用化検討においては,関係省庁をはじめ,多方面にわたる関連団体・企業・有識者のご協力を得ながら推進していくことが必要とされています。

第3回
高効率機器等の普及促進とカーボンクレジット活用検討について (Vol.62 No.4,2025)

 前回7月の定時総会記念号では「グリーンLPガス推進官民検討会(以下,「官民検」)で立ち上げた下部会議体であるワーキンググループ(以下,「WG」)のうち「rDME混合LPガス実用化検討WG」について説明させていただきましたが,今回は「高効率機器等普及促進に向けたWG」と「カーボンクレジット活用検討WG」についてご紹介させていただきます。
 まず「高効率機器等普及促進に向けたWG」についてです。2024年3月の官民検で発表したLPガスのCN化ロードマップでは「省エネ化及び燃料転換の推進」によりCO2 を180万t削減するとしていますが,当WGはこれを達成するため「LPガス供給のグリーン化に加え,徹底した省エネを通じたLPガス市場のカーボンニュートラル(以下「CN」)化に向けて,高効率燃焼機器の更なる普及促進や,重油ボイラ等からの燃料転換等を通じた2035年度におけるCO2 削減目標を設定する」ことを目的として,座長に株式会社住環境計画研究所の鶴崎所長を迎え,一般社団法人日本ガス石油機器工業会,一般社団法人全国LPガス協会,GHPコンソーシアム,一般社団法人日本コミュニティーガス協会等を委員として,2024年2月に立ち上げられました。(下表)

 具体的には高効率給湯器部門,家庭用燃料電池部門,ガスヒートポンプ(以下,「GHP」)部門,燃料転換部門の4部門を設定し部門毎に担当組織を選定,その担当組織が中心となり実効性のあるCO2削減目標と実行プランを作成する,というもので2024年度はそれぞれCO2削減目標を算定しました。
 高効率給湯器部門は一般社団法人日本ガス石油機器工業会が担当しており,エコジョーズやハイブリッド給湯器の2035年度までの年度毎の普及台数,及びそれに伴うCO2削減効果について,資源エネルギー庁による「トップランナー制度」における高効率給湯器の目標占有率等も考慮して算定を行っています。
 家庭用燃料電池部門は一般社団法人全国LPガス協会が担当しており,エネファームの普及台数及びCO2 削減効果について,エネファーム機器メーカーの協力も得ながら算定を行っています。また同協会はエネファームの普及拡大を目的としたエネファームTOPセミナーを本年2月に東京で開催,今年度は5都市での研修会も企画しています。
 GHP部門はGHPコンソーシアムが担当しており,GHPは電気エアコン(EHP)よりも一次エネルギー換算CO2排出係数が小さいという検証結果に基づき,昨今注目されている「災害時避難所となる学校体育館」への導入見通しなどを踏まえつつ2035年度までの目標設置台数を設定,CO2削減ポテンシャルや目標を算定しています。
 燃転部門は我々日本LPガス協会が担当しており,灯油やA重油を燃料としている小型貫流蒸気ボイラや小型温水ボイラ等の燃料転換によるCO2削減効果について,協会の会員各社や一般社団法人日本ボイラ協会,公益財団法人日本小型貫流ボイラー協会等にもご協力をいただき,算定を行いました。また産業・業務分野に比べ燃料転換が進んでいない施設園芸分野について,民間調査会社である株式会社住環境計画研究所にご協力いただき,燃料転換によるCO2削減ポテンシャルや目標を算定しました。
 各部門の算定を合計した結果「それぞれの部門目標が完全に達成された場合,CO2削減量は320万tを超える。従って180万tの削減目標は十分に達成可能」ということが判ったため,これを本年3月の官民検で報告,今年度については,各部門別の実行プラン等につき検討を行っています。(下表)

 次に「カーボンクレジット活用検討WG」についてです。LPガスのCN化ロードマップでは「カーボンクレジットの利用拡大」によりCO260万t相当を相殺するという目標を掲げており,当WGはこれを達成するため「LPガス業界が進めるCN対応におけるカーボンクレジットの位置付けを明確にすると共に,クレジットの二重計上の防止やグリーンウォッシュ批判の防止等を図る観点から,LPガス業界としての自主ガイドラインを作成し,ガイドラインに沿った自主的な取り組みを進める」ことを目的として,こちらも株式会社住環境計画研究所の 鶴崎 所長を座長,当協会の常任理事会社5社(アストモスエネルギー株式会社,ENEOSグローブ株式会社,ジクシス株式会社,株式会社ジャパンガスエナジー,岩谷産業株式会社)を委員として2024年2月に立ち上げ,同年3月には自主ガイドラインの初版を策定しています。(下表)

 2024年度は,まず委員各社別にガイドラインに則った管理体制を構築し社内規程を整備,ガイドラインの順守状況に関して委員各社が自主チェックを行った上で,外部機関によるチェックとしてデロイトトーマツコンサルティング合同会社(以下「DTC」)によるモニタリング調査(帳簿記録等の確認)を実施しました。
 モニタリング調査の結果は「ガイドライン順守という観点からは,全ての委員各社で特段問題はなかったが,自主ガイドラインに実態とそぐわない部分,また現在は記載がないが,規定しておいた方が良いと思われる事項等が今回の調査で判明したため,一部改訂を行う必要がある」というもので,これを受け自主ガイドラインの改訂について検討を開始,クレジットを付与したLPガスの呼称について「カーボンオフセットという表現を含む呼称を推奨する」ことや,ガイドラインに「クレジットの利用により生まれる環境価値は最終消費者に帰属する」ことを明記した上で,それを担保するため販売時に交付すべき証明書等に関する条項等を追加した第2版を,本年3月に策定しました。
 また,DTCや一般財団法人日本エネルギー経済研究所にもご協力をいただきながら,カーボンクレジットを巡る国内外の政策動向や,市場動向についての情報収集及び共有も行いました。
 今年度についても2024年度同様,自主チェックとDTCによるモニタリング調査を実施の上,必要があればガイドラインの改訂を行う予定です。またカーボンクレジットを巡る政策動向や市場動向についての情報収集及び共有の他,カーボンクレジットの認知度を高めるための,一般消費者に対する広報戦略等についても,実施の是非を含め検討予定です。(下表)

第4回 カーボンニュートラル社会実現に向けたLPガスの取り組みについて (Vol.63 No.1,2026)

はじめに
 全4回の最終回となる今回は, 将来に向けた最新の取り組み状況として, 10月に開催された「グリーンLPガス推進官民検討会(以下, 官民検)」と, 11月に日本LPガス協会として公表した「LPガス産業2050ミッション」及び「LPガス産業2030アジェンダ」についてご紹介します。
 その前に過去3回の記事を下記にまとめました。 
                                                           
春季号(4月)
「カーボンニュートラル社会実現に向けたLPガスの取り組み」として, 今Hまでの取り
 組みを時系列で振り返りました。
•「LPガスが果たす環境・レジリエンス等への長期貢献について」(日本LPガス協会版       
 SDGs)の発表(2020年)
・「グリーンLPガスの生産技術開発に向けた研究会」を通じた議論(2020~2021年)
・「一般社団法人日本グリーンLPガス推進協議会」の設立(2021年)
・「グリーンLPガス推進官民検討会」の立ち上げ(2022年)
・「カーボンニュートラル対応に向けたロードマップ」の公表(2024年)

定期総会記念号(7月)
「rDME混合LPガス実用化検討について」前号で触れた官民検において,グリーンLPガス      
 製造の研究開発状況の共有のほか, その本格導入に先んじたトランジション対応とし   
て「高効率機器等の普及拡大」,「カーボンクレジット活用検討」,「rDME混合LPガス実  
用化検討」の3つのワーキンググループ(以下,WG)の立ち上げに言及しましたが, 当 
該号では「rDME混合LPガス実用化検討WGJ及び, その下部に設置した4つの部会(品
質検討, 出荷設備, 環境評価,渉外)のミッションをご紹介しました。   
                                         

秋季号(10月)
「高効率機器等の普及促進とカーボンクレジットの活用について」
前号に続き,官民検の下部会議体として設置された「高効率機器等普及促進に向けた
WG」及び「カーボンクレジット活用検討WG」について, それぞれの目的や活動内容
をご紹介しました。 
                                         

第9回グリーンLPガス推進官民検討会
 10月21日に「LPガスのCN化に向けたロードマップの更新版」,「グリーンLPガス開発プロジェクト進捗状況」,「官民検設置WGの経過報告」を議題として開催されました。
◇rLPガスのCN化に向けたロードマップの更新版」は2024年3月に開催された第6回官民
検で公表したロードマップを今回改訂したものです。
 2035年度に需要量の16%を, 2050年度には全量をC N化するという目標に変更ありま
せんが, 2035年度のL Pガス需要量については, 2024年度の実績見込みが1,200万トン
を下回ったことを受けて, 前回想定の1,250万トンから1,100万トンに改訂し, CO2削
減量は約530万トンとしました。
 また,2050年度の需要量については, 燃転推進による需要増等を考慮して約930万ト
ンに改訂しました。

 CN化の施策については従来の「省エネ化・燃転の 推進」を「高効率省エネ機器の普及」と「LPガスヘの 燃料転換の推進」に分け, また, とりまく環境の変化に柔軟な対応を可能とするために, 各施策の数値目標に幅を持たせました。

◇ rグリ ーンLPガス開発プロジェクト進捗状況」では,各開発技術の進捗状況と今後のスケジュ ー 
ルが報告 されました。プロジェクトの多くが実験室レベルから小規模実証レベルに移行してお 
り,さらなるスケール アップが期待されます。また, 原料や合成法の異なる複数のプロジェクト 
での取り組みが行われていることから, 地産地消型や大規模需要向けなど, 各プロジェクトの特
性を活かした多様な展開も期待されます。

◇「官民検設置WGの経過報告」
3つのWG(rDME混合LPガスの実用化検討WG,高効率機器等普及促進に向けたWG, カーボンクレ
ジット活用検討WG)のそれぞれの活動について報告されました。
                                                
• rDME混合L Pガスの実用化検討WG
経済産業省の補助事業に採択され, DMEを混合したLPガスの燃焼試験によって安全に利用可能なrDME混合割合の上限を求めるとともに, rDME混合LPガスの サプライチェーン全体での炭素強度算定を行います。

・高効率機器等普及促進に向けたWG                              
 燃料転換, GHP, 家庭用燃料電池, 高効率給湯器の各部門 における活動内容が報告されまし 
た。各部門のCO2削減可能性を調査し2035年に実現可能な目標値として325万トンを設定し, 今
できるCN化としての取り組みを強化しています。
 燃転部門では施設園芸分野で農水省やメーカとの連携を通じ燃転によるCO2削減やJクレジット化の取組みを進めています。産業・業務用分野では0.5~2.5トン/時クラスでの燃転が順調に進んでおり, 今後は小規模事業者や簡易ボイラーヘの展開にも注力していきます。
 GHPについては学校体育館など避難所への導入が拡大しており, 自治体への提案支援などを通じ普及促進をさらに加速させます。
 家庭用燃料電池では関連業界団体横断型でのPR活動やセミナーによる認知度向上を図っていま
す。新ZEH基準においても, その優位性をハウスメーカ等に働きかけていきます。
 高効率給湯器については次世代トップランナー制度や新ZEH基準による影響を注視し, 機器メ ーカと連携して普及促進を図ります。

・カーボンクレジット活用検討WG
 LPガス業界が取り扱うカーボンオフセット取引の倍頼性と認知度の向上を目的に, 取り扱い留   
意点などを記した「自主ガイドライン」の改訂を反映した「自主チェックリスト」を用い, 日本
LPガス協会の常任理事会員各社で自主チェックを行い, 第三者機関によるモニタリングを実施し
たことが報告されました。

「LPガス産業2050ミッションと2030アジェンダ」
 2018年11 月に発表した「LP ガス産業の 2025年ビジョン」を刷新し, 2050年にあるべき姿としての「LPガス産業2050ミッション」を策定し, 3 つのミッションを掲げました。 さらにその達成に向けて, 今後5年間の行動計画となる「LP ガス産業2030アジェンダ」を策定し,そこに示す6つのアクションを着実に実行していきます。

「LPガス産業2050ミッション」
 ・平時も災害時においても,常にご家庭へLP ガスを安定供給する体制を堅持する
 ・常にお客様に選ばれるエネルギー サ ービスを提供し, 持続可能な産業として発展する
 ・ 社会的ニー ズに応え, LPガスによるカ ー ボンニュ ートラル化を着実に実行する

「LPガス産業2030アジェンダ」
 ・安定的かつ臨機応変に対処可能なLP ガスの輸人・供給
 ・災害レジリエンス対応力の一層の強化
 ・お客様に選ばれるエネルギー サ ービスの提案
 ・より安心で安全なLP ガス利用の実現
 ・グリーンLP ガス等の調達・開発とカ ー ボンニュ ー トラル化の推進
 ・持続可能なLP ガス産業を支える国内外連携の強化と人材の確保

「2050ミッションと2030アジェンダ」はその詳細を日本LP ガス協会のホームページで公開しております。下記よりご覧いただけます。

日本LPガス協会



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