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宮入商事におけるバルク20年告示検査への対応について(JLPA機関誌 Vol.56 No.4, 2019掲載)

本記事は、JLPA機関誌『ガスプラント』 Vol.56 No.4(2019), PP.13~18に掲載したものを著作者様の同意を得て掲載させていただいております。


宮入商事株式会社

 本年5 月より新元号「令和」となり新たな時代の幕が開きましたが,バルク供給システムは平成9 年の液石法改正により普及され,今年で22 年経過しました。
 宮入商事は,今後急増するバルク貯槽の新規入れ替えや再検査に対しまして,バルク貯槽用附属機器の供給体制を整えております。また,バルク20 年告示検査に当たり,附属機器の再検査や交換等について,安全性の観点からご注意頂きたい事項を記述しますとともに,主要な附属機器をご紹介させていただきます。

1.告示検査における附属機器の再検査について

 附属機器の再検査は,告示により次の項目が定められており,期限内に行ってください。
また,検査に合格した附属機器に対し,当該附属機器の見やすい箇所に,「検査を行った者の名称又は記号」及び「検査を行った年月」を容易に消えることがないように表示してください。

(1) 外観検査:附属機器を分解し,目視及び非破壊検査により,附属機器等の外面について腐食,割れ,傷,変形等の欠陥がないことを確認すること。また,耐圧部分の厚さを測定し,最小厚さ以上の厚さを有していることを確認すること。

(2) 気密試験:常用の圧力以上の圧力で,空気その他の危険性のない気体を使用して行い,漏えいがないことを確認すること。

(3) 性能検査:性能試験又は作動試験を行い,附属機器としての性能を確認すること。

2.再検査時の注意事項について

2-1.全般

附属機器の再検査を行うに当たり,次の事項について十分ご注意ください。
なお,再検査の方法等については,「KHKS 0746 附属機器等の告示検査に関する基準」等に従い行ってください。

(注1) 附属機器をバルク貯槽から取り外す際,及び附属機器を分解・再組立する際は,下記①~③の事象理由から,割れや傷,変形等を発生させないように細心の注意を払う必要があります。

なお,各作業工程において発生が想定されるリスク等から,新品の完成品への交換を推奨いたします。
① 附属機器の機能や性能に悪影響を与え,故障の原因となります。
② 附属機器の最小肉厚は安全率を十分考慮した設計のため,計算肉厚値より厚くなっていますが,耐圧部材に深い傷が付いてしまった場合は,その部位が規定最小肉厚値を下回ってしまう恐れがあります。
③ 当該附属機器の型式や機器番号(製造番号)の確認が困難になり,部品手配に時間を費やしてしまうことが懸念されます。

(注2)バルク貯槽の設置されていた場所の環境により,附属機器の経年劣化程度に大きな違いが見られる事があります。特に,海水や海風の影響を受ける沿岸部,並びに湿気の多い場所や地域に設置されていた場合には,腐食の発生と進行が大きい傾向にありますので,新品の完成品への交換を推奨いたします。

(注3)附属機器は,構成部品にO – リング等のゴム製部品やテフロン等の樹脂製部品を使用しており,これらは経年劣化や摩耗による性能低下が想定されます。
部品交換にあっては必ずメーカ純正の新品に交換してください。
なお,分解・組立時における傷や変形等の発生リスクから,新品の完成品への交換を推奨いたします。

(注4)附属機器の種類に応じて気密試験圧力が異なります。
必ず,当該附属機器の「認定試験者試験等成績書」に記載された気密試験圧力をご確認の上,気密試験を行ってください。

2-2.黄銅製の附属機器

(注1) 黄銅製附属機器は,ねじ接合構造となっている場合が多く,ねじ接合部には接着剤を塗布していますので,分解時における破損や変形等を引き起こす可能性が極めて高くなります。また,テーパねじの場合は,その特性上ねじ痩せ(変形)を起こしています。
分解時におけるねじの破損や変形等の発生リスクから,新品の完成品への交換をお願いいたします。

(注2)黄銅製附属機器は,緻密な寸法公差で加工組立されており,箇所によっては僅かな傷や変形等でも機能や性能に悪影響を与えてしまいます。

2-3.鉄鋼製の附属機器

(注1) 鉄鋼製附属機器は,メッキ処理や塗装を施しています(ステンレス鋼製を除く)。
    鋳物にあっては防錆処理を施した上,塗装を行っていますが,経年劣化に伴い雨水等の影響やもらい錆により,錆が発生していることが想定されますので,新品の完成品への交換を推奨いたします。

(注2) 液面計や過充てん防止装置に使用していますフロートは,経年劣化による品質低下が懸念され,機器本来の性能を維持できない可能性がありますので,必ず新品に交換してください。
    また,フロートを取り付けたアームの先端をカシメた状態にしたモデルがありますので,この場合はアームごと新品に交換してください。

※バルク貯槽からの取り外し時,及び分解・組立時における傷や変形等の発生リスク,安全性確保へのリスクやコスト方面からも,附属機器は黄銅製,鉄鋼製を問わず再検査を推奨いたしません。新品の完成品への交換を強くお勧めいたします。

3.附属機器のご紹介

3-1.黄銅製の附属機器

(1) 安全弁(告示基準 第3条関係の附属機器)
型式:MT-160V,MT-160VC,MT-160VK,MT-180V

バルク貯槽サイズ 形式 口径
300kg以下 MT-160V Φ16
MT-180V
500kg以下 MT-160V Φ19
MT-180V
1トン未満 MT-160V Φ22
MT-160VK
MT-180V
2.9トン未満 MT-160VC Φ30

バルク貯槽のサイズにより型式,口径が異なります。

 

 

 

(2) 安全弁元弁(告示基準 第3条関係の附属機器)
型式:MT-SV,MT-FV,MT-SVB,MT-SB3V,MT-110V3D

(3) カップリング用液流出防止装置(告示基準 第6条関係の附属機器)
型式:MT-204,MT-206,MT-206V,MT-206S


(4) 液取入弁(告示基準 第6条関係の附属機器)
型式:MT-110VF,MT-110VLF,MT-110V3B,MT-110V3D,MT-110VFK


(5) ガス放出防止器(告示基準 第7条関係の附属機器)
型式:MT-122VL(S),MT-122VLW(S),MT-122VLR(S),MT-122VG1


(6) ガス取出弁(告示基準 第7条関係の附属機器)
型式:MT-110VL,MT-110VG1,MT-110V3B,MT-110V3D,MT-SB3V

(7) 液取出弁(告示基準 第7条関係の附属機器)
型式:MT-68WB,MT-68BF,MT-110VL


(8) 均圧弁(告示基準 第8条関係の附属機器)
型式:MT-68YV,MT-68VF,MT-110V3B,MT-110VG,MT-SB3V


(9) カップリング(告示基準 第8条関係の附属機器)
型式:MT-98,MT-98S

3-2.鉄鋼製の附属機器

(1) 安全弁元弁(告示基準 第3条関係の附属機器)
型式:MT-890VL


(2) 液面計(告示基準 第4条関係の附属機器)
型式:MTG-4V シリーズ,MTG-5D シリーズ

(3) 過充てん防止装置(告示基準 第5条関係の附属機器)
型式:MTG-6V,MTG-6VD,MTG-6C

(4) 液取入弁(告示基準 第6条関係の附属機器)
型式:MT-790DV(50A),MT-890DV(50A),MT-890DV1

(5) 均圧弁(告示基準 第8条関係の附属機器)
型式:MT-790DV(25A),MT-890DV(25A)

4.お問い合わせ(MT グループ)

宮入商事株式会社
・本社 〒 563-0034 大阪府池田市空港1 丁目7 番12 号
 TEL: 06-6853-9101 FAX: 06-6853-9104
 E-mail: info@miyairicorp.co.jp
・大阪営業所 〒 563-0034 大阪府池田市空港1 丁目7 番12 号
 TEL: 06-6853-9101 FAX: 06-6853-9104
・名古屋営業所 〒 451-0042 名古屋市西区那古野1 丁目14 番18 号(那古野ビル北館202 号)
 TEL: 052-563-2877 FAX: 052-581-9980
・福岡営業所 〒 812-0029 福岡市博多区古門戸町1 番1 号(日刊工業新聞社西部支社ビル8 階)
 TEL: 092-282-8620 FAX: 092-282-8621
東京宮入商事株式会社
・東京営業所
〒 104-0032 東京都中央区八丁堀3 丁目9 番7 号(泰和ビル7 階)
 TEL: 03-3553-7375 FAX: 03-3552-3674
株式会社宮入製作所
・本社工場
〒 411-0044 静岡県三島市徳倉5 丁目9 番50 号
 TEL: 055-986-7123 FAX: 055-987-7708