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Human Resource Development
シリーズ人材育成

新コスモス電機の人材育成について (Vol.62 No.4, 2025)

本記事は、JLPA機関誌『ガスプラント』 Vol.62 No.2(2025), P.21 ~22 に掲載したものを著作者様の同意を得て掲載させていただいております。


新コスモス電機株式会社
トレーニングセンター 加々美 剛

1 .まえがき

 新コスモス電機株式会社は,前身会社の二度の倒産を経て1960年6月15日に設立されました。創業時,ボリューム(可変抵抗器)の専業メーカーとして,新製品開発や技術力の高さでお客様からの信頼が得られる様に努めていましたが,製品の出荷前検査で新しく開発したボリュームの抵抗値が著しく高い値を示す不具合を発生させてしまいました。シャフトに付いたグリースを拭き取る際に使用した有機溶剤が原因でしたが,この不具合をヒントとして,特定の炭素被膜がガスセンサの機能をもつことを発見したことが,ガスセンサ開発の第一歩となりました。現在ではガスセンサ専業のメーカーとして,日本のみならず世界各国にガスセンサ・ガス警報器を供給しています。
 新コスモス電機グループの基本となる考え方として①世界中のガス事故をなくす②安全・安心・快適な環境創りに貢献する③多様な人材が活躍でき,多様なアイデアや経験を活かすことができる土壌をつくる。以上の3つの考え方を実現し,センシング技術を極め世界中に貢献する事を目的としています。

2.人材育成の取り組みについて

 当社では新卒及び中途入社した営業員を対象に,トレーニングセンターで入社時研修を行っています。研修内容は①ビジネス基礎②当社の歴史・事業内容③ガス及びガス警報器の基礎知識④当社のガスセンサ・ガス警報器について等を中心に講習を行います。特にガス及びガス警報器の基礎知識では座学だけでなく可燃性ガスや酸欠の実験デモも行いながら,ガスの特性を理解して頂きます。
 ガスは間違った使い方をしなければ安全であり,カーボンニュートラルにも貢献するクリーンなエネルギーです。しかしながら万が一間違った使い方をした場合には爆発の危険がある為,爆発によるガス事故を無くす事を目的にガスセンサ・ガス警報器が必要である事を,実験デモで体感して理解して頂きます。
 研修終了後はテストを実施し理解度の確認を行います。理解が不十分な内容が無いかを確認し,不十分な内容は再度詳細説明を行う事で正確な理解ができるまで徹底的に説明フォローを行っていきます。

 また,当社では新卒及び中途入社者に対し3ヶ月間の教育計画書を作成し,教育計画書に沿って基礎教育を行っています。かつては教育計画書及び教育内容は上長に委ねられており,上長毎で教育内容がばらばらになっておりました。結果的に基礎教育部分で理解の差が生まれてしまい,仕事に取り組む姿勢に影響が出るケースが発生していました。
 教育内容のばらつきを無くし,皆が同じ姿勢で仕事に取り組めるように,2024年度からはマストの教育内容を決め,上長により教育内容が変わる事が無い様に,誰でも同じ基礎教育を受ける事で理解して頂くことができるようになりました。
 更に,教育カリキュラムに沿った教育で計画的なスキルの習得・見える化ができつつあります。今後も教育カリキュラムをブラッシュアップしていくことで計画的且つ業務に沿ったスキルアップができるような仕組みを作っていきます。また,営業員だけでなく営業のサポートを行う業務員も教育計画書,教育カリキュラムに沿った教育を開始しており,従業員全体のスキルアップに繋がる様な取り組みを行っています。
 なお,研修は当社従業員だけでなくお客様の新入社員や若手社員の方々へも実施させて頂いております。特に実験デモは好評を得ており,新入社員向けに毎年実施して欲しいとご要望を頂き,定期開催しているお客様もいらっしゃいます。
 また,トレーニングセンターでは年1回,外部講師を招いた研修を行っています。昨年はチームビルディング研修を行い,メンバーの思いの相互理解ができました。研修後は事後テーマ(目標)も設定し,上司部下でテーマ(目標)の取り組み進捗を確認して自らが主体的に行動する様な促しを行っています。

3.あとがき

 人材育成の目的は会社が掲げる経営戦略を成し遂げる為に必要な知識・能力,行動を身に付けて頂くことと考えておりますが,一方的な押し付けでは受講者の共感は得られません。
 人材育成を担う者として,今後も「気付き」を促し,自らが主体的な行動を行っていく,自走する集団となるべく,様々な教育メニューを考え,採り入れていきたいと思います。

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