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Defect Report
不具合収集結果

2025年度 保守検査時の不具合集計結果にみる保安上の着眼点

2025年度 保守検査時の不具合集計結果にみる保安上の着眼点

検査事業者委員会
検査問題調査対策部会

 2025年度は,液化石油ガス定置式貯槽開放検査が多く実施される5年間の1年目でした。
 2005年3 月31日施行(※下記)の告示 (2005 年3 月 30日経済産業省告示第84号)により,貯槽開放検査法定周期の延長が可能となり,多くの貯槽が従来の5年毎から10年毎の実施に移行しました。 以来,5年間の貯槽開放検査減少期と5年間の回復期が繰り返されています。
 よって,告示施行から2回目の回復期にあたる2025年度~2029年度は多くの貯槽が開放検査を迎えることが予想され,私たち検査事業者は,若手検査技術者が多くの経験を積むことのできる機会と捉える一方,現場の人手不足解消が課題となっています。

 さて,本稿は液化石油ガス製造事業所の保守検査において記録された設備の不具合データ集計結果について解説させていただいたものです。
 膨大な不具合データは,検査事業者委員会に所属する検査事業者の協力を得て,全国各地から収集・報告され,2025 年度集計結果は,検査区分ごとに以下の通りに掲載させていただいており,本稿の根幹を成す独自性の高い資料と考えております。

  LPG定置式プラント普通検査‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥表1
  LPG定置プラント貯槽開放検査(精密検査)‥‥‥…表2
  LPG充てん設備・移動式製造設備保守検査‥‥‥‥‥表3
  LPGガスタンクローリ容器再検査(精密検査)‥‥‥表4

 解説では, 2025 年度に記録され本稿に掲載した不具合集計結果,及び,過去の集計結果も含めた不具合発生傾向を記述させていただきましたので,是非とも,貴事業所における潜在的な不具合の予測や,設備管理上の重点項目の抽出など,自主保安活動のさらなる充実に役立てていただきたいと思います。
 また,当部会では,保守検査時の不具合データ収集と並行してガス種を限定しない不具合写真事例を収集しており,本稿でも多くの事例を掲載することができましたので,併せてご覧ください。

※2025年10月20日発行「LPガスプラント」秋季号「2024年度製造事業所等における保守検査時の不具合収集結果及び解説」3頁において,保安検査告示の施行日を2005年3月30日と誤って記載しておりました。ここに謹んでお詫び申し上げますとともに,訂正させていただきます。

 以下に続く解説では,検査区分ごとに,過去に集計されたデータと併せて考察させていただきました。


1. LPG定置式プラント普通検査時の不具合について
 2025年度実績では,定期自主検査で1312件(うち充填施設803, 消費施設509), 保安検査準備検査で948件(うち充填施設754, 消費施設194), 普通検査としては,2260件の結果報告を集計しました。 1施設中の不具合数は,確認項目(確認方法)で対象となる機器・設備が複数設置されている場合,そのいくつかに不具合が発生していても 1″としてカウントしています。
 この条件を踏まえた上で不具合発生率が高かった確認項目(確認方法)をTable1に示します。

[散水設備の不具合について】
 不具合収集表は2025年度より,表1 6.③貯槽の耐熱・冷却措置に係る不具合について,6.⑧防消火設備(散水設備)に記録する事とし,確認方法を「目視検査」「作動検査」「散水ノズルの目詰まり」「散水 配管・弁類漏水」「貯水量」に細分化し,より具体的な不具合内容が把握できるようにしました。 (2024年度迄は,③•⑧とも「目視検査」「作動検査」の2項目)
 その結果,「散水ノズルの目詰まり」の不具合発生率が14.03%, 次いで「作動検査」3.36%,「散水配管・弁類漏水」1.33%, 「目視検査」0 .44%, 「貯水量」0.13%でした。
 2024年度の集計では, 冷却および防火を合わせた作動不具合の発生率が14.94%でしたので,過去大半の不具合が散水ノズルの目詰まりだったと推察することができました。散水ノズルの目詰まりの原因は,散水配管内面の錆,貯水槽に堆積する塵埃や周辺ゴミが考えられます。「目詰まりノズルを清掃して終わり」ではなく,どのような異物が詰まっていたか観察し,改善措置の検討が必要となります。

 散水設備の不具合で最も重大と位置付けられる「作動検査」不具合は,散水ポンプの作動不良(遠隔操作部を含む)であり,プラント火災時の貯槽保護,延焼阻止に支障をきたす恐れがあります。「故障してから対処する」ではなく,定期的なメンテナンス,計画的な設備更新が必須と考えます。
 散水配管・弁類漏水の原因として考えられるのは,内外面腐食,残留水凍結による割れ,シ ール材の劣化などが考えられます。再発防止措置としては,計画的な更新,水が残留しやすい部分のドレン弁増設,分解整備が挙げられます。
 Fig.1に示すように過去の結果も踏まえて考えると,不具合発生率が比較的高い項目は,一定方向に増加又は減少しているのではなく,年度ごとに変動していることが分かります。

 特に,ガス漏えい検知警報設備の作動検査及び圧力計の精度検査については,過去9年間を通じて比較的高い発生率で推移しているものの,2025年度はいずれも前年度を下回っています。一方,散水設備の目視検査以外の項目や安全弁作動検査など,一部の項目では2025年度に発生率の上昇が見られます。
 このことから,普通検査における不具合は特定の項目のみが継続的に増加しているというよりも,設備の使用状況,経過年数,点検対象施設数などの影響を受けながら,年度ごとに変動しているものと考えられます。今後も発生率の高い項目を重点的に確認するとともに,単年度の変化だけでなく,複数年度にわたる推移を継続して 把握することが重要であると考えます。

① 今回の着眼点
 年度ごとの変動だけでなく, 経年推移にも注目!!
② 保安上のポイント
 発生率の高い項目は重点的な維持管理が重要!!
③ 現場で確認したいこと
 ・圧力計の精度・指示値
 ・安全弁の作動状況
 ・ガス漏えい検知警報設備の作動確認

2. LPG定置式プラント貯槽開放検査(精密検査)時の不具合について
 2025年度実績では, 334基(うち充填施設253, 消費施設81) の検査結果報告を集計しました。
貯槽開放検査(精密検査)の結果では,グラインダ処理を除き,各不具合項目の発生率は全体として低い水準で推移していました。また,附属品についても,不具合による交換より計画的な交換が多く実施されてお り,予防保全を主体とした維持管理が継続されている状況がうかがえます。

 Fig.2は, 過去9年間に報告されたグラインダ処理実施率の推移を示します。 増減の傾向は読み取れませんが,例年実施報告があり,開放検査における内部検査の重要性を示唆しています (2025年度のグラインダ処理をおこなった貯槽は11基, 実施率は3.26%) 。

 附属品交換数の推移を見ると,貯槽元弁の計画的交換数は年度によって増減が見られるものの,継続的な増加または減少の頻向は認められませんでした。これは,設備更新計画や交換時期の違いによる影響が反映されたものと考えられます。また,不具合による交換数はいずれの附属品においても少なく,計画的な交換が主体となっていることから,予防保全を基本とした維持管理が継続されている状況がうかがえます。

① 今回の着眼点
  予防保全を主体とした設備の健全性が維持 
 されていること。
② 保安上のポイント
  計画的な保全活動を継続し,設備の健全性
 を維持することが 重要! !
③ 現場で確認したいこと
・ グラインダ処理実施箇所
・ 貯槽内部の腐食,損傷状況
・ 附属品の計画的な交換状況

3. LPG充てん設備・移動式製造設備保守検査時の不具合について
 2025年度実績では,定期自主検査で428件,保安検壺準備検査で649件,その他(月例,3 ヶ月点検等)で 10件,合計で1087件の結果報告を集計しました。
 定置式プラント普通検査時の不具合と同様, 1設備あたりの不具合数は,確認項目で対象となる機器・装置等が複数設置されている場合,その幾つかに不具合が発生していても“1’’としてカウントしています。この条件を踏まえた上で不具合発生率が高かった確認項目(確認方法)をTable2に示します。

 Fig. 4に示すように充てん設備・移動式製造設備保守検査における不具合発生率の推移を見ると,「液化石油 ガスが通る部分の気密試験」は年度による変動を伴いながら,全体として上昇傾向がうかがえ,2025年度は 3.31 %となりました。また,「充てんホ ース及び均圧ホ ース外表面のキズ」は,従来から比較的高い水準で推移しており,2025年度は 3 .40%と集計期間中で最も高い値となりました。
 これらはいずれも液化石油ガスの漏えいに関係する項目であり,ホ ース類は使用状況や取り扱いの影響を受ける可能性があることから, 日常点検において接続部等の気密性を確認するとともに,ホ ース外表面のキズや摩耗等の異常を注意深く確認し,適切な時期に交換することが重要です。

一方,圧力計精度検査など,発生率が低下した項目もあります。このため,保守点検全体の不具合が一様に増加したのではなく,ホース類の外観及び機密性能に関する項目で上昇が目立った年度と考えられます。

①今回の着眼点
 ホース類の外観及び気密性能に関する不具合が増加。
②保安上のポイント
 ホース類の維持管理を徹底することが重要。                
③現場で確認したいこと
 ・ホースの外表面のキズ,摩耗
 ・接続部の気密性
 ・劣化状況に応じた交換時期


4. LPガスタンクロー リ容器再検査(精密検査)時の不具合について
 2025年度実績では,320基の結果報告を集計し,不具合発生率が高かった確認項目をTable3に示します。

 Fig.5に示すように緊急遮断装置の駆動部分(アクチュエ ー タ等)の不具合発生率は, 集計期間を通じて低下傾向が見られました。一方,圧力計精度検査における不具合発生率は近年上昇しており,今後もその推移を注視する必要があります。圧力計は設備の運転状態を把握するための重要な計器であることから,日常点検における指示値や外観の確認を徹底するとともに,定期的な精度確認及び適切な交換時期の管理を継続することが重要です。

 また,不具合発生率が最も高かった圧力計では,新品交換による改善が多く実施されています。
 一方,緊急遮断弁や緊急遮断装置では,部品交換や分解点検など設備の状態に応じた改善措置が講じられて おり,確認項目ごとに適切な対応が実施されていることがうかがえます。これらの結果からも,設備の状態を的確に把握し,必要に応じて適切な補修や部品交換を実施することが,設備の健全性維持につながるものと考えられます。

① 今回の着眼点
 圧力計精度検査の不具合発生率が近年上昇傾向!
② 保安上のポイント
 重要保安機器である圧力計の適切な維持管理を
 継続することが重要! !
③ 現場で確認したいこと
 ・ 圧力計の指示値,外観
 ・ 定期的な精度確認
 ・ 適切な交換時期の管理

【2025年度のまとめ】


【集計を終えて】

 液化石油ガス設備の保守検査において不具合を発見し,適切な改善につなげることは,事故を未然に防止し,設備の安全性を維持するうえで極めて重要です。精度が維持された検査機器を用いた検査と,全国のJLPA検査事業者が長年培ってきた経験や知見を共有することにより,第三者の視点から設備の状態を客観的に評価できることは, 保守検査の大きな意義の一つといえます。
 現在,多くの液化石油ガス製造事業所等では,自主保安活動の充実や適切な設備管理により,安全性の維持・向上が図られています。保安責任者の皆様におかれては, 保守検査結果を通じて設備・機器ごとの不具合傾向や更新時期を把握し,計画的な保全に活用されていることと思います。
 また,このようなデータを継続的に蓄積・分析することは,液化石油ガス設備の保安実態を客観的に示す資料 として,将来的な保安制度や検査制度のあり方を検討する際の基礎資料となることも期待されます。
 本集計結果が,会員事業者の設備管理及び自主保安活動の一助となるとともに, LPガス業界全体の保安水準のさらなる向上に寄与することを願っております。
 最後に, 本不具合収集にご協力いただきました検査事業者の皆様におかれましては,心から感謝申し上げます。

【最後までお読みいただいた方へのお知らせ】
 過去の「不具合収集結果及び解説」記事をご希望の方は、メ ー ルにて「事業所様名、ご担当者様名」及び「不具合記事配信希望」とご記載いただき kensahuguai@jlpa.or.jp 宛てにお送りください。事務局より,ホームページURLとともに不具合記事に係るご案内をお送りします。

資料集【表1~表4】

2025年度に確認された不具合写真事例(事例1~13)

 本稿不具合写真事例集は,検査事業者委員会に所属する検査事業者各位からの積極的な情報提供に支えられており, 液化石油ガス設備の保守検査時のみならず,ガス種を問わず,設備の運転時, 停止時に確認された不具合事例についても広く受け入れております。
 また,初めて本誌をお読みいただく方にも参考としていただけるよう,過去の記事に掲載された事例と類似するものについても,選別せずに掲載しております。
 不具合事例を写真で確認しておくことは,同様の不具合に自らが遭遇した際の対処や判断の大きな助けになると考えます。
 更に,本稿に掲載された事例については,実際に講じられた改善措置のほか,重要と思われる附帯情報も併記しておりますので,ご参考いただければ幸いです。

【事例1】安全継手
【不具合箇所】 接続部
【不具合内容】 離脱不能
【原因】 腐食
【改善措置】 安全継手新品交換
【撮影時期】 保安検査
【適用法規・規則】 液化石油ガス保安規則 第 8 条第 1 項第 3 号
【解説】
 充填中にクルマが誤発進し,充填ホースが引っ張られた際,安 全継手が正常に離脱しなかった事例です。
 安全継手は,一定以上の引張力が加わった場合に,所定の位置で離脱する構造となっており,計量機等の破損を防ぐ役割を持っています。
 離脱不能となった原因は,保護カバー(ゴム製)の劣化により生じた破損部から雨水等が浸入し,接続部に腐食が生じたためと考えられます。そのため,日常点検や保守検査においては,安全継手の接続部を含めた腐食や劣化の状態を継続的に確認し,必要に応じて適切な整備・交換を行うことが重要です。
 安全継手は,取り付けられていることだけでなく,必要なときに確実に離脱できる状態が維持されていなければなりません。本事例は,日常的な外観確認と適切な維持管理の大切さを改めて示していると思われます。


【事例2】遮断弁
【不具合箇所】 バックシ ー トバッキン(因 1 ー①)
【不具合内容】 変形
【原因】 液封と推測
【改善措置】 新品弁体交換
【撮影時期】 貯槽精密(開放)検査
【適用法規・規則】 該当条項号なし
【解説】
 本事例のバックシ ー トバッキン変形はスピンドル(図 1 一②)から異常に強い力で押さえつけられて発生しています。 このような変形状態は,ボディ弁座当たりシ ー トバッキン(図 1 一③)では,入口側「液封」の発生時に見られてきたため,本事例の原因についても「液封」としましたが,これはあくまで変形の見た目による推測です。
 この遮断弁の通常動作において,バックシ ー トパッキンを押さえつける力は,遮断弁「閉」の際にスプリングの弾性力がスピンドルに伝わって発生する力のみであり,バックシ ー トバッキンの変形を引き起こすことは無いと考えられます。そこで, 更に液封庄力が加わることによって変形したのではないかと推測しましたが, 入口側が「液封」の場合,液封圧力は弁体(図 1 ―④)を下向きに押し付ける力となり,その力を受け止めるのはボディ弁座当たりシ ー トバッキンとなります。その際液封圧力はスピンドルに下向きの力を加えることができないため,バックシ ー トパッキンには負担がかからず,出口側が「液封」の場合は,スプリングの弾性力が弁体を押し上げようとする液封圧力に負けるため,バックシ ー トパッキンにスプリングの弾性力以上の負担はかかりません(但し, なんらかの要因でスピンドルが持ち上がらない状況が発生した場合には, バックシ ー トバッキンが変形する可能性があります)。
 本事例においては, 不具合原因を断定することはできませんでしたが, バックシ ー トパッキンの変形は, スピンドル当たり面とのシ ー ル性を低下させ,弁体とスピンドルの隙間(図 1 一⑤)からリークが発生する可能性があります。そのため,分解点検の際には,バックシ ー トパッキンにも,変形や損傷が無いかを十分に観察することが重要であると考えます。


【事例3】貯槽液面計
【不具合箇所】 表示板
【不具合内容】 色落ちにより9 0%以上の表示が不明瞭
【原因】 経年劣化
【改善措置】 再塗装
【撮影時期】 定期自主検査
【適用法規・規則】液化石油ガス保安規則 第6条第2項第1号ロ


【事例4】配管
【不具合箇所】 フランジ
【不具合内容】 漏えい
【原因】ボルト・ナット締め付け不足
【改善措置】 増し締め
【撮影時期】 保安検査(準備検査)
【適用法規・規則】液化石油ガス保安規則 第6条第1項第18号

【事例5】配管弁(Y型弁)
【不具合箇所】 ハンドル
【不具合内容】 破損
【原因】 腐食
【改善措置】 ハンドル新品交換
【撮影時期】 定期自主検査
【適用法規・規則】液化石油ガス保安規則 第6条第1項第34号

【事例6】配管弁(ブロー弁)
【不具合箇所】 ネジ部
【不具合内容】 割れ
【原因】 経年劣化及びプラグの締め付け過ぎ
【改善措置】 弁本体新品交換
【撮影時期】 定期自主検査
【適用法規・規則】液化石油ガス保安規則 該当条項号なし

【事例7】ガスコンプレッサ
【不具合箇所】 安全弁元弁グランド部
【不具合内容】 漏えい
【原因】 Oリングの摩耗または劣化と推測(未確認)
【改善措置】 元弁新品交換
【撮影時期】 定期自主検査
【適用法規・規則】液化石油ガス保安規則 第6条第1項第18号


【事例8】ガスコンプレッサ
【不具合箇所】 テンポラリーストレー ナ
【不具合内容】 吸入圧力低下
【原因】 配管内ドレン,スケ ールなどの堆積
【改善措置】 堆積物除去
【再発防止措置】 適正頻度を調査し,定期的に清掃を行う
【撮影時期】 保安検査(準備検査)
【適用法規・規則】液化石油ガス保安規則 該当条項号なし


【事例9】充填機
【不具合箇所】 充填ホ ース
【不具合内容】 割れ
【原因】 経年劣化
【改善措置】 新品交換
【撮影時期】 定期自主検査
【適用法規・規則】液化石油ガス保安規則 第6条第1項
         第17号,19号


【事例10】高圧ホース(容器残液回収転倒台)
【不具合箇所】ホース部
【不具合内容】割れ・漏えい
【原因】経年劣化
【改善措置】容器残液回収転倒台の廃止
【撮影時期】保安検査(準備検査)
【適用法規・規則】液化石油ガス保安規則 第6条第1項第17号,18号


【事例11】蒸発器
【不具合箇所】 温水槽
【不具合内容】 穴あき ・ 漏水
【原因】 腐食
【改善措置】 温水槽新品交換
【撮影時期】 定期自主検査
【適用法規・規則】一般高圧ガス保安規則 該当条項号なし


【事例12】圧力計
【不具合箇所】 ガラス用パッキン
【不具合内容】 割れ
【原因】 経年劣化
【改善措置】 圧力計新品交換
【撮影時期】 配管開放検査
【適用法規・規則】液化石油ガス保安規則 第6条第1項第21号


【事例13】ガス漏えい検知警報設備
【不具合箇所】 電源ユニット
【不具合内容】 電源が入らない
【原因】 長期に渡る使用
【改善措置】 警報盤の更新
【適用法規・規則】液化石油ガス保安規則 第6条第1項第29号
【補足情報】 設置後20年以上



緊急遮断弁用アクチュエータの点検・メンテナンスについて
-パッキン類の経年劣化による漏れに注意-

 検査時の不具合を考える際には,機器メーカヘの相談や問い合わせも参考になります。今回は, 株式会社宮入バルブ製作所様より,同社製の緊急遮断弁用アクチュエ ー タで問い合わせの多い漏れについて,漏れの箇所や原因,処置方法に加え,点検時に誤認しやすい正常な動作についても解説いただきました。

1. 内容
 緊急遮断弁(LEV-209-S-K, LEV-280-S-Kシリーズ)に使用されている緊急遮断弁用アクチュエ ータにおいて,パッキン類の経年劣化等により漏れが生じる事例が確認されております。取扱説明書に記載の通り,パッキン類は消耗部品です。機能を維持するため,定期的な交換(メンテナンス)が必要です。 以下に,問い合わせが多い代表的な事例を紹介いたします。

2.代表的な事象について
 1)事象1 :ロッカクナット締付部からの漏れ(A部)(写真2, 構造図参照)
   症状:ロッカクナットとシールザガネ部の接触部からの漏れ
   原因:シールザガネのシール性能低下による漏れ
   処置:シールザガネの交換
   備考:応急処置として, ロッカクナットの増し締めによりシールザガネのシール性能が回復   
      する場合がございます。

2)事象2:プレート部からの漏れ(B部)(写真3,構造図参照)
  症状:プレートと本体との接続部からの漏れ
  原因:ガスケットのシール性能低下による漏れ
  処置:ガスケットの交換

3)事象3:銅管部からの漏れ(C部)(写真3,構造図参照)
  症状:銅管部からの漏れ
  原因:ガスケットのシール性能低下による漏れ
  処置:ガスケットの交換

なお,銅管部は, アクチュエータを操作時は吸排気が行われます。これは,正常な動作であり,漏れではございませんのでご注意ください。

3.注意点
 パッキン類の交換は,漏れを未然に防ぐ予防保全となります。設備の安全運用のため,定期的な整備メンテナンスの実施を推奨いたします。

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